1.遺言執行者とは
遺言書の効力の確認ができたら、遺言の内容を実行していくことになります。
遺言の内容を実行する者を遺言執行者とよびます。
遺言執行者は、遺言者が遺言で指定し、あるいは家庭裁判所によって選任されますが、一般的には、遺言書の中で遺言執行者を指定していることが多いようです。
なお、未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができません(民法1009条)。
2.遺言執行者の職務
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条)。
遺言執行者が存在する場合、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為をすることができないため(民法1013条)、相続人がした相続財産の処分行為は無効とされております。
遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければなりません(民法1011条1項)。
また、遺言書の内容に従って「相続財産の調査」など、以後の手続きを行っていきます。
3.遺言執行者の選任
遺言執行者は常に必要というわけではありませんが、遺言の内容が、遺言執行者だけが執行できるもの(認知・推定相続人の廃除など)を含む場合は、遺言執行者が必要となります。
また、遺言の内容が、遺言執行者または相続人いずれでも執行できるもの(遺贈・寄附行為など)を含んでいるときでも、相続人間の協力を得ることが期待できない場合や、相続人間の利益が相反するような場合などは、遺言執行者の選任が望ましいと思われます。
もし、遺言書の中で遺言執行者が指定されていない場合は、相続人が協議した上で、第三者の遺言執行者の選任を家庭裁判所に請求することもできます。
遺言執行者選任の申立ては、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に行います。
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